反町監督インタビュー
2010/02/24 | <<一覧に戻る
現役時代はミッドフィールダーで横浜フリューゲルス、ベルマーレ平塚でプレー。現役引退後はスペインに留学をし、サッカー解説や北京オリンピック代表を指揮するなど経験も豊かだ。今回は湘南ベルマーレでJ1昇格レース真っ只中の多忙な時期に時間を割いていただき、ブラインドサッカーについて話を伺うことが出来た。
―――ブラインドサッカーをご覧になってどのような感想をお持ちになりましたか
「ブラインドサッカーを見てフットサルをやっているのと変わらない、という印象を受けました。見る前は一体感もなくバラバラにプレーしているというイメージでいましたが、技術はもちろん音と感覚を頼りに、そしてチームとして組織されていると感じ、正直ビックリしました。
ブラジルはブラインドサッカーでも強いのではないかと思います。彼らのボールの持ち方はわれわれの11人制の選手と同じような動きをするので驚きましたね。最後のフィニッシュの所は、晴眼者でも取れないようなパワフルなシュート、そしてコースを狙う技術を持ち合わせていると思います。
われわれからすると、[見えないでプレーをする]という事は想像できないですよね。普通のサッカーは見えているからこそ感覚が生まれる訳で、見えないで感覚を身に付けていくというのは凄いと思いますね。
ブラインドサッカーでも世界で強豪国が集まった大会の映像を見ると、お客さんが数多くあつまっていて、サッカー先進国の方が進んでいるように感じるのでショックを受けますね。そういう点でも日本も進んでいかないといけないかもしれません」
―――監督業をなされていて、ブラインドサッカーと何か共通する点はありますか
「結局、言葉一つで選手がやる気になったり、言葉一つで修正出来たりする訳で、その力は大きいですよね。代表レベルでも指揮をしましたが、日本は世界でも唯一の「日本語」という言語を持っている。指示の声も相手に分かりづらいので、十二分に利用してやれと指示しました。そのためには的確に言葉を発してコミュニケーションを図っていくことが大事だと言ってきました。
それと、チームを率いる者としては同じ方向を向かせるために、言葉の掛け方一つとっても、モチベーターとして気持ちを盛り上げていくことは大変でしたね。[走れ][頑張れ]といった言葉は、もちろんギリギリになってからは必要なのですが、重要な言葉とは、いつどこでどうするかという事を迅速かつ的確に言わなくてはいけない。もう少し具体的に言うと、ボールを持った時に、誰かが一人サポートしていけば2対1のプレーが出来る。2対1を作れと指示する。2対2だったら2対3を作れ、もしくは逆サイド!といって指示を早くすることです。
我々のサッカーでもあれをやれ、これをやれというとロボットになってしまう。そうならないように指示の出し方を上手く考えて、選手に[いまどうする]という事を促すようにやっていくのが重要ではないでしょうか」
―――反町監督のお話を聞いていると、監督から発する言葉の重要性を感じますね。最後に日本代表に応援のお言葉をいただけますでしょうか
「僕も代表カテゴリーの指揮をした経験があるので言えるのですけれど、やはりブラインドサッカー日本代表も世界の大会に出る事の重要性を強く感じていると思います。
世界の大会に出る事で、皆さんも様々な勉強をしていると思いますが、[なるほどこういう時はこういうコーチングが的確なんだ]というような情報合戦もやっていると思うんですよ。そういうのもまた世界の舞台で回を追う毎に変わって来ていると思います。それをキャッチするためには、世界大会へ出場することは最低条件です。
ゲームを楽しんで上のステージに立てるように、世界の強豪国と対戦するためにも、強い気持ちを持ってトレーニングを重ね、試合に向かってもらえればと思いますね。スタッフを含め良いコーチングの下、最高の準備をして最高の結果が導き出せるよう、皆で精進していってもらいたいと思います」
反町康治さんのプロフィール
生年月日 1964年3月8日
出身地 埼玉県
選手歴
1979-1982 静岡県立清水東高校
1983-1987 慶應義塾大学
1987-1992 全日空サッカークラブ
1992-1993 横浜フリューゲルス
1994-1997 ベルマーレ平塚
日本代表 国際Aマッチ 4試合出場0得点、
指導歴
2001-2005 アルビレックス新潟 トップチーム監督
2006-2008 U-21、U-23日本代表監督(北京五輪出場)
2008-現在 湘南ベルマーレ トップチーム監督
湘南ベルマーレのオフィシャルサイトはこちら:
http://www.bellmare.co.jp/